第11弾　冬の短期集中講座

　日本では2月の中頃というと、真冬の一番寒い時期ですが、ロスではちょうど季節の変わり目にさしかかっているようです。季節の変わり目には雨が降りやすくなるここでは、最近うっとおしい天気の日が続いています。ただ、それが終われば早くも暖かくなり始めるそうで、日本ほど寒い冬ではないにしても、やっぱり暖かくなるのはうれしいものです。
　さて、僕の学校の方は1月の初めに始まったWinter Sessionが先日終わったばかりで、今はまたSpring Semesterが始まっています。今回はそのWinter Sessionの事を中心に書いてみたいと思います。
　SessionというのはSemesterとSemesterの間にある短期集中講義の期間のことで、冬と夏の2回あります。Semesterも年2回ですから、Spring Semester - Summer Session - Fall Semester - Winter Sessionという様にSemsterとSessionが交互にやってくる形になります。Sessionは授業を取っても取らなくても良く、ただ取った授業は普通に卒業単位に計算されるので、早く単位をそろえたい留学生などは取る人が多いようです。（Winter Sessionはクリスマスと年末年始を挟むので、里帰りする人も多かったようですが。）SemesterとSessionのもっとも大きな違いは、その長さで普通16週間あるところが、Sessionでは6週間しかありません。ですから、授業もほぼ毎日あり、課題提出のサイクルも短くなります。当然、classwork は厳しくなり、だからSession中に取れる授業の数は8単位までとなっています。（授業にもよりますが、8単位取ったらかなりきついと思います。）
　このSessionという制度は日本では見あたらないモノですが、勉強したい人はその意欲に合わせた勉強が出来るようになっている、フレキシブルなアメリカの教育制度を良く反映していると思います。日本にいるときは、夏と春の長期休暇がうれしかったモノですが、もし今、年に４～５ヶ月も休みがあったとしたら無駄に思えるに違いありません。なにせ、ただ生活しているだけでもお金がかかるんですから。バイトが出来るわけでもないので「だったらとにかく勉強させてくれ！」という感じなのです。
　さて、今年のWinter Sessionですが、僕の場合の話をすると2科目、5単位を取りました。先のFall Semesterで専攻のGraphic Designの授業をほとんど取れなかったので、この冬からが本格的な勉強のスタートになります。もちろん、取った2科目は両方ともGraphic Designの授業です。5単位というのは「少しきついかな？」とも思いましたが、1つはComputerのクラスなので楽しめるだろうと思い、挑戦してみることにしました。
　クラスを順に紹介していくと、一つ目の授業はGraphic Designという分野を広く浅く紹介してくれる授業。Graphic Desingという職業の範囲や、実際そこでどういう作業をしているのかということを、課題を通して学ぶクラスです。このクラスの先生はディズニーなどのプロジェクトにも参加したことのある人で、現場を良く知っていたので、興味深い話がたくさん聞けました。もう一つの授業はComputerを使ったPage Layoutソフトの初級のクラスでした。いろんな課題を作っていく中で、Quark XPressというソフトの使い方を学びました。初級とはいえ、このクラスだけで基本的な使い方はほぼ網羅していたので、内容的にはとても満足のいくものでした。
　Graphic Designのクラスが他の歴史や数学の授業と圧倒的に違うところは、「テキストを読んで問題を解く」と言った類の宿題がないということです。その代わりに、Projectと言う、いわゆる「課題」が出され、それをこなさなければなりません。例えばPage Layoutのクラスでは便せん、封筒、名詞、パンフレットなどを作りました。授業中に、例えば図形を描く機能を習ったら、その機能を使うProjectが出されるといった感じです。しかも、これらのProjectはすべてComputerを使うので、学校のパソコンルームでないと作業ができず、結局、ほぼ終日学校に缶詰状態でした。家に帰れば宿題はない（というか出来ない）のですが、帰宅するのが夜になったので、結果的には他のクラスを取ったときと拘束時間は同じぐらいです。
　これらのProject、普通のSemester中なら1週間に1個ぐらいのペースなのですが、なにせ Session中は期間が短い。だから、ほぼ毎日のようにProjectが課され、提出もほぼ毎日でした。最初のうちは、早め早めにこなしていたのですが、だんだんと詰まってきて、最後の2週間は本当に大変でした。まぁ、こういうことがやりたくて留学して来たのだから、結構幸せな部分もあったのですけどね。
　朝、学校に行き、授業を受け、授業の合間にはパソコンルームでProjectをこなし、授業が終わった後もまたパソコンルームに舞い戻って、バスがなくなる時間まで（８時ごろですが）モニターと向かい合う生活がついこないだまで続いていました。先週末に、そういう地獄のような生活が終わり、3日間の休みの後、今はまたSpring Semesterが始まったので学校に通っています。今は、まだ始まったばかりなのでオリエンテーションばかりで授業は本格的に始まっておらず、ちょっとのんびりしていると言った感じです。このSemesterも少々、多めに授業を取ったので、また途中から忙しくなるかもしれません。今はそれまでのモラトリアムと言った感じでしょうか。
　さて、今日は2/17。アメリカにもバレンタインはあるにはあるのですが、日本ほど盛り上がるモノではありません。それについてもいろいろ書きたかったのですが、次回に回したいと思います。それでは。