* 第19弾 (日本の)方言について

 夏休みがやって来ました。先週末でSummer Sessionが終了し、今は本当の意味で夏休み です。Session中から結構時間があったので、半分休みの気分でしたが、やっぱり授業がある のと無いのとは気分的に大きく違いますね。授業もおもしろいですが、やっぱり休みは良いも んです。1ヶ月、ちょっと長いですが、羽を伸ばしたいと思います。
 さて、今回はちょっと「留学」とは関係のないことから話を始めたいと思います。僕は大阪 の出身なので、当然、出てくる言葉は「大阪弁」です。(厳密に言うと、大阪弁も色々あって、 大阪の北と南でしゃべってる言葉は微妙に違うのですが、そういう違いは置いておいて、広い 意味で「大阪弁」としましょう。)大学生にもなると、日本のいろんな地域に友達が出来るの で、彼らの影響は多少受けていて、5年ぐらい前とはしゃべってる言葉が自分の中でも微妙の 変わってきているのですが、基本的に「大阪弁」という範疇は出ていないようですし、出るつ もりもあまりありません
。  まぁ、そんな定義はさておき、今回書きたいのは、アメリカに来て初めて大阪弁の特殊性に ひどく気づかされたと言うことです。つまり、僕のしゃべっている言葉の中に、大阪以外の人 が全く理解できない、いわゆる「方言」に属する表現が以外と存在しているらしいのです。も ちろん、それは当たり前のことなのですが、僕が日本にいたときは全くそう言うモノに気づく ことはありませんでした。僕の周りに大阪以外の地方からやって来た人はたくさんいましたし、 例えば東京の友達と話をすることもかなりの頻度であったにもかかわらず、当時は全くそう言う ことに気づく機会はありませんでした。今思えば、日本の僕の友達は、僕の言葉を正確に理解し ていたのだろうか?と思うぐらいです。・・・というと、多少大げさですが、それぐらいの発見 をアメリカに来た今になってしているのです。
 いくつか例えをあげてみましょう。有名な大阪弁は「ほかす」ですね。(これは昔、国語の教 科書でも見たことがあります。)「捨てる」という意味で僕たちは「ほかす」という単語を使い ます。「この新聞、読んだ?ほかしていいの?」のように使うと、僕のルームメイト(彼は栃木 出身です)は、一瞬「えっ?」という顔をして、それから思い出したように、「あ、大丈夫です。」 と答えます。彼の頭の中では「ほかす=捨てる」という認識には時間が必要なのです。これは僕も 知っていました。ところが、例えば、「かしわ=鶏肉」「こそばい=くすぐったい」「こむらがえ り=ふくらはぎが痙攣すること」「おいら=we(発音によってはI(一人称)にもなりますが」など、 次々に方言としての大阪弁を指摘されたのです。ここまで来ると、多少の驚きを感じずにはいられ ません。あと「自分=You」というのも、結構わかりにくいそうです。電話などで「今から自分の 家に遊びに行っていい?」と聞くと、友達は「?」という反応を返します。「今から(僕が)僕の 家に遊びに行っていい?」という問いかけに聞こえるそうです。
 このように、最近になって数々の誤解を指摘されて、僕は「おもしろいなぁ」という気持ちと 「今までどれだけ誤解されてたんだろう」という疑問と、「どうして日本では誰もこういうことを 言い出さなかったんだろう?」という大きな疑問が複雑に絡まりあって、変な気分になっています。
 日本のように小さな国でもこれだけ方言があるのですから(まぁ、日本はその中に長い歴史を持 っていますが。)英語でもきっと、かなりの方言があるんでしょうね。いつかそう言うのも理解し て楽しめるようになりたいものです。
 今回はちょっと趣向を変えた報告にしてみました。それでは、また次回。

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